勇者「なにこれ?ファンタジー?」

自作SS
11 /09 2014
勇者「どこだここ?夢だよな? 昨日は自宅で寝たはずだぞ?」ガチャ

勇者母「さあ起きなさい勇者、いよいよ今日は17歳の誕生日ですね」

勇者「え?あんた誰? それに俺の名前は男で」

勇者母「こら勇者!母にむかってあんたとはなんですか! いくら出発の日と言っても緊張しすぎですよ」

勇者「あ、はい、すいません……ところで出発ってなんですか?」

勇者母「何を言っているんです? 今日は魔王討伐の旅に出発する日でしょう? ほら、さっさと王様のところへ挨拶に行きなさい。それと出発前に幼馴染の魔法使いちゃんに挨拶するのですよ」ドンッ

勇者「えっ、ちょっ、何も追い出さなくても……」

勇者「とりあえず状況整理だな。まず昨日は自宅で寝たはずなのに朝起きると知らない家にいた。そして俺は勇者らしい。それであのオバ……母さんが言うには魔王討伐に行かなければならない……ってどこのゲームの話だよこれ」

???「勇者よ、聞こえますか」

勇者「どこからか声が!?」

女神「私はこの世界を司る女神です。今この世界は魔王によって危機に瀕しています。三人の仲間と共に魔王を倒してください」

勇者「この世界を司る? それじゃ俺のことわかりますよね? 男って言うんですけど」

女神「仲間もすでに目覚めているはずです。魔王の力は強大ですが、三人の仲間がいれば倒せるでしょう」

勇者「いや俺のこと知っているか聞いてるんだけど……」

女神「それでは幸運を祈ります」

勇者「いやだから……っていなくなったのか? なんだったのだ? とりあえず三人の仲間を探せばいいのか?」

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勇者「とりあえず王様への挨拶も終わったから、幼馴染の魔法使いとやらに会いに行くか」

トントン

勇者「こんにちはー 勇者でーす」

???「はーい……って男!?」

勇者「お前幼馴染の女か!? 何でこんなところに!?」

魔法使い「それは私もわからないわよ! 朝起きたらいきなり……それに私の名前も魔法使いになってるみたいだし……」

勇者「俺の方も似たような感じだ。それに女神っつーのも出てくるしわけわかんねーよ」

魔法使い「女神なら声だけなら聞いたわよ。それにしても本当にファンタジーよねぇ」

勇者「それを言うなよ。とにかく魔王を倒せばいいらしいからさっさと行くぞ」

魔法使い「あっ、ちょっと待ってよー!」

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魔法使い「ところでどこに行けばいいの?」

勇者「王様が言うには、北の山脈に魔王がいるらしい。ただ俺らのレベルじゃ瞬殺されるだろうから、道中でレベルを上げないとな。それと女神が言うには仲間をあと二人集める必要があるらしい」

魔法使い「りょーかい。ところで私って魔法使いだよね?何か魔法使えるのかな?」

勇者「そうだな、ゲームだと呪文を唱えて魔法を使っていたから何か言えばいいんじゃないか?」

魔法使い「何かって適当な……そうだなぁ、火球呪文!」

ボッ!

魔法使い「わっ! 本当にできた!」

勇者「すげーな。ライターがいらねーじゃねーか」

魔法使い「でもゲームだとMPとかあるから使用回数あるんじゃない?」

勇者「それもそうか……そういえば俺も勇者だから何か使えるのか……? 雷撃呪文!」ピシャーン!

勇者「できた! けどすげー疲れるな。レベル不足か?」

魔法使い「たぶんそうじゃない? そんなことよりはやく行こうよ! 向こうに村が見えるんだから!」

勇者「へいへい、りょーかいっと」

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勇者「なんとか村に着いたな」

魔法使い「そうね。とりあえずここで一泊しましょう」

???「待て、お前たち」

勇者「ん?誰だ?このおっさん」

戦士「おっさんではない! 俺は戦士だ! そんなことよりお前は勇者か?」

勇者「たしかに俺は勇者だが、どうして名前を知っている?」

戦士「少し前に女神とやらからお告げがきたのだ。この村に訪れる男一人女一人の勇者パーティーに加わり魔王を倒せとな。」

勇者「なるほど。ってことは魔法使いにもお告げとやらがきてたのか?」

魔法使い「そうよ。最初はどこに勇者がいるのかわからなかったけど、私のこの世界のお母さんが幼馴染は勇者だって教えてくれたの」

戦士「待て! お前この世界と言ったな!? もしや別の世界から来たのか?」

魔法使い「ええ、私と勇者は別の世界から来たわ。正確には元々住んでいた世界からこの世界に飛ばされたみたい」

戦士「そうか……それは心強い……いやなに、実は俺もいきなりこの世界に飛ばされてな、少し戸惑っていたのだ。どうも俺はこの村の住民らしくて今まで暮らしていたんだよ」

勇者「おっさんも飛ばされてきたのかよ……しかし嫌に簡単に仲間が集まるな。この様子だと四人目も元の世界から飛ばされた人間じゃねーのか?」

魔法使い「その可能性は否定できないわね。三人中三人がこの世界に飛ばされてきたもの。そんなことよりはやく休みましょう。今日は疲れたわ」

戦士「泊まる所を決めていないなら俺の家に泊まるがいい。幸い部屋は空き部屋が空いている。それと俺も旅について行くぞ。魔王はともかく元の世界に戻らねばならないからな」

勇者「サンキューおっさん。それじゃ今日はこれで休みますか」

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魔法使い「ふぁーあ、おはよう。あれ? 戦士さんは?」

勇者「もう外にいるぞ。旅に出るから準備しているんだと」

魔法使い「なるほどー それじゃ私達も行きますか」

ガチャッ

魔法使い「おはようございまーす」

戦士「おう、おはよう。こっちは準備できたぞ。もう出発するか?」

勇者「ああ、早いところ元の世界に戻りたいからな」

戦士「よし、では行くか」

魔法使い「って戦士さんの斧でかっ!? 重くないんですか!?」

戦士「おう、俺はどうも力が強いらしい。その代わり魔法はからっきり使えないみたいだがな」

勇者「なるほど、おっさんは文字通り戦士ってわけか。」

戦士「そんなところだな。ところでどこに行けばいいんだ?」

勇者「王様が言うには、北の山脈に魔王がいるらしい。だから目的地は北の山脈だな」

戦士「北の山脈か。となると洞窟を一つ越える必要があるな。ただ洞窟内は暗いからたいまつが必要になりそうだ」

魔法使い「あっ、それなら大丈夫です! 私火球呪文が使えるみたいなので、それで木を燃やせばたいまつ代わりになると思います」

戦士「ふむ、それでは問題なさそうだな。早速出発するか」

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魔法使い「で、洞窟が見えてきたけど」

勇者「誰かいるな。何やっているんだ?こんなところで」

魔法使い「とりあえず声をかけてみましょう。どうせ通り道だし」

勇者「そうだな。おーい!あんた何やってるんだ?」

???「あっ、こんにちは。はい、実は魔王を倒しに行かなければ行けないんですけど洞窟が暗くて……」

勇者「なるほど、暗いのが怖いのか……って魔王を倒すってことはもしかして勇者を探していたりするのか? 俺勇者だけど」

僧侶「えっ!そうなんですか! それは良かったです! あっ、申し遅れました。私は僧侶といいます。回復呪文が使えるみたいです」

勇者「回復呪文か、それはありがたいな。それともう一つ質問だけど、もしかしてあんたも別の世界からやってきたりするのか?」

僧侶「はいっ、そうです。あれ?あんた『も』ってことは皆さんも?」

勇者「実はそうなんだ。ここにいる俺と戦士、魔法使いも別の世界、正確には元々住んでいた世界からこの世界に飛ばされたみたいなんだよ」

僧侶「そんなんですか。それにしても不思議ですね。魔王を倒す目的の人全員が別の世界から飛ばされてきたなんて」

戦士「それは俺も不思議だと思っていた。だが手がかりもない以上、あれこれ考えずに魔王を倒すしかないんじゃないか?」

魔法使い「でもおかしいと思わない? 僧侶ちゃんの言っていることもそうだし、だいたい魔王を倒せばどうなるかもわからないのよ?」

勇者「けど戦士の言う通り手がかりはないだろ。だったら魔王を倒すしかないんじゃないか?」

魔法使い「それもそうだけど……せめて女神がもう一度出てくれば何かつかめるかもしれないのにな……」

僧侶「あっ、あの! ここで話し合っても何も解決しないと思うのでまずは魔王を倒してから考えるのはどうでしょう?」

魔法使い「うー。悔しいけど僧侶ちゃんの言ってるようにするしかないみたいね」

戦士「とりあえず方針は決まったみたいだな。まず魔王を倒す。それからどうやって元の世界に戻るか考える」

勇者「そうだな。女神は仲間が三人いれば魔王は倒せると言っていた。だったらこれで大丈夫だろう」

魔法使い「そうね。それじゃ洞窟に入りましょうか。僧侶ちゃん、私の火球呪文でたいまつが作れるから暗くても大丈夫よ」

僧侶「はいっ!」

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勇者「ふう……ずいぶん進んだな。ここで一休みするか」

戦士「そうだな。だいぶ敵も強くなってきたから調度良い」

僧侶「あれ?壁に何か書いてありますよ?」

魔法使い「これは壁画ね。人間と……魔物?が協力して何かと戦っている絵みたいね」

勇者「絵の下にも何か書かれているぞ。『昔……人と……魔物……協力して……追いつめた……』崩れていてこれ以上は読めないな」

戦士「どういうことだ? 魔物は人間の敵ではないのか?」

魔法使い「でも協力したってことはそれ以上の脅威が現れたってこと?」

僧侶「でも変ですよね。『倒した』ではなく『追いつめた』ということはその脅威は倒せていないということですか?」

勇者「そうなるな。だけど追いつめたってことはその後封印とかしたんだろ? 現在そんなものがいるなら魔王より先に倒せって女神から言われているはずだぞ?」

魔法使い「それもそうね。とにかく今は魔王を倒すことを優先しましょう。どうせこの壁画のことも昔の事でしょう」

勇者「そうだな。早く魔王を倒して元の世界に帰る方法を見つけないといけないとな」

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勇者「で、洞窟を抜けるとそこにはお城が建っていました……と」

魔法使い「空も感じ悪いしこれが魔王の城?」

戦士「おそらくな。この城は山の上に建っているみたいだからな。目的地の北の山脈に着いたのだろう」

僧侶「ということはいよいよ最後のダンジョンですか……これで魔王を倒せば元の世界に帰れるんですよね?」

勇者「それはわからん。だけどそれしか手がかりがないことは確かだからな」

魔法使い「案外魔王が私たちをこの世界に呼び出したんだったりしてね。そうだったら魔王を倒せば元の世界に帰れそうなんだけど」

戦士「だがそう上手くいくとは限らんだろう。とにかく気を引きしめていかねば」

勇者「そうだな。よし!魔王城へ突入するぞ!」

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勇者「はぁはぁ、だいぶ奥まで来たな。みんな大丈夫か?」

戦士「俺は大丈夫だ。傷は僧侶が回復してくれるからな」

僧侶「私も大丈夫です……ただ精神的に疲れがあります……回復呪文を使っていた影響でしょうか」

魔法使い「私も大丈夫よ。僧侶ちゃんと同じく少し疲れてるけどね。それにしても大きな扉ね」

勇者「ああ、たぶんこれが魔王のいる部屋なんだろう。みんな、準備はいいか?」

戦士「問題ない。気合は十分だ」

僧侶「私も問題ありません!」

魔法使い「私もオッケーよ」

勇者「よし!それじゃ開けるぞ!」

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